8つの事例からわかる転職エージェントを使うメリットとデメリット【デメリットの対策も紹介】

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8つの事例からわかる転職エージェントを使うメリットとデメリット【デメリットの対策も紹介】

転職エージェントの利用を検討している方に、メリットとデメリットに分けて、転職エージェントの転職支援サービスの内容や特徴を具体的に解説します。

転職エージェントが求人を紹介してくれることは誰もが知るところですが、それ以上に便利なこと、注意すべき点までは広く知られていません。

この記事では私が経験した事例もご紹介し、転職エージェントの良い点だけでなく、使う際の注意点とその対策もお伝えしますので、記事を読んだ後には、ご自身が転職エージェントを利用すべきか簡単に判断できるようになるはずです。

この記事を書いた人
この記事を書いた転職マネージャーです。転職経験は3回あり、現在は中小企業診断士として独立、サービス業が専門になります。人事・人材領域の仕事では、マネジメントなどクライアント企業の昇進・昇格者向け研修を受け持っています。当サイトでは私自身の転職活動経験をベースに、人材サービス業界で働く方にも助言をもらいながら、転職したい人に役立つ情報を共有し、たいせつな選択や判断をお手伝いします。

転職エージェントを使う6つのメリットの解説、事例を紹介

転職エージェントを使う6つのメリットの解説、事例を紹介
転職エージェントを使う6つのメリットの解説、事例を紹介

転職エージェントは、転職したい人(求職者)と、社員・職員を採用したい企業や組織との間を取りもち、転職を支援するサービスを提供しています。求職者の転職が決まれば、転職エージェントは企業や組織から成功報酬を受け取ります。

ちなみに、このサービスを運営する企業を有料職業紹介事業者と言い、厚生労働大臣から許可を受けて有料職業紹介事業を運営しています(参考:厚生労働省「労働者派遣事業・職業紹介事業等」)。

転職エージェントを利用すると、求人の紹介にとどまらず、転職についての助言、転職活動の代行などの転職支援サービスが無料で受けられ、転職活動の効率化、省力化につながります。

このような転職エージェントを使うメリットを、次の6項目に分け、具体例を交えて解説します。

【転職エージェントのメリット1】豊富な求人の中からフィットする求人を探し出し、紹介してくれる

1つめの転職エージェントのメリット、「豊富な求人の中からフィットする求人を探し出し、紹介してくれる」を解説し、あわせて私の事例もご紹介します。

【メリット1の解説】豊富な求人の中からフィットする求人を探し出し、紹介してくれる

大手転職エージェントは数多くの求人をあつかっています。ちなみに、2022年3月20日時点の、最大手転職エージェントのリクルートエージェントがあつかうは求人数は、57,597件(公開求人数と非公開求人数の合計)。

転職エージェントのキャリアアドバイザー(求職者の担当者)は、求職者の経験やスキル、希望条件を把握し、求人企業の要望・要件を確認したうえで、たくさんある求人の中から求職者にフィットする求人を探し出し、紹介してくれます。

キャリアアドバイザーとは

キャリアアドバイザーは、求職者の転職支援を担当する人材紹介会社の社員です(コンサルタント、キャリアパートナーなど別の呼称を使う人材紹介会社もあります)。

キャリアコンサルタントという名称もありますが、キャリアコンサルタントはキャリアコンサルティングの国家資格を持つ人だけが名乗れます(参考:厚生労働省「キャリアコンサルティング・キャリアコンサルタント」)。キャリアコンサルタントの資格を持つ、人材紹介会社の社員もいます。

このようなキャリアアドバイザーによるサポートが、転職のミスマッチを減らし、転職の成功につながるのです。

また、転職エージェントから紹介される求人の中には、個人で収集することが難しい非公開求人が含まれます。

【メリット1の事例】豊富な求人の中からフィットする求人を探し出し、紹介してくれる

求職者の希望する業種、職種、地域などにもよりますが、大手転職エージェントは大量の求人を紹介してくれます。私も、一度に30件の求人を紹介されたこともありました。

この求人紹介で心踊るのが、想像だにしなかった求人を紹介された時です。的外れな求人の紹介と紙一重なのですが、説明を受けると納得できることがあるのです。

独りで転職先を探したり考えたりしていると、経験がある業種や職種に意識が集中し、経験がある仕事の延長線上からしか転職先を考えられなくなります。どんなに優秀な方でも、独りの作業は視点が偏り、視野が狭くなってしまうことでしょう。

このような時に、転職エージェントのキャリアアドバイザーの他人の目で、転職の可能性がある仕事を探してもらうことは、私は有効だと思っています。

私が転職エージェントを利用した当時、所属する企業ではある外部サービスの提供を受けながら仕事を進めていたのですが、転職エージェントからそのサービスを提供する側で力を発揮してみてはどうかと、自分の頭の中に微塵もなかった違う業界、違う職種の仕事を紹介され、そういう選択肢もあるのだなと驚くと同時に、新鮮な気持ちになったことがあります。ちなみにこの求人は面白そうだなと思いましたが、知りすぎている企業なので応募は見送りましたが。

転職エージェントは、法人営業しか経験のない人に、エンジニアの求人を紹介するようなことはしませんが、視座を変えて求職者の経歴や希望を確認し、自分では気づかない可能性を見出してくれることもあるのです。

ご自身の可能性を広げる意味でも、転職エージェントとの面談、電話、メールなどのコミュニケーションを通じて、ご自身の希望や好み、経験・スキルを伝え、ご自身を理解してもらうことは大切なことです。転職エージェントを利用したら、キャリアアドバイザーとの積極的なコミュニケーションを心掛けてください。

キャリアアドバイザーとの上手な付き合い方や使い方については、次の記事で解説しています。

【転職エージェントのメリット2】求人の背景や職場環境など、表に出てこない独自情報を提供してくれる

2つめの転職エージェントのメリット、「求人の背景や職場環境など、表に出てこない独自情報を提供してくれる」を解説し、あわせて私の事例もご紹介します。

【メリット2の解説】求人の背景や職場環境など、表に出てこない独自情報を提供してくれる

転職エージェントの社内にはキャリアアドバイザーの他に、求人企業を熟知するリクルーティングアドバイザーという営業担当者がいます。

営業担当者は、日頃から求人企業への訪問、連絡などのコミュニケーションを重ねることで密接なつながりを持ち、求人情報とともに求人が出ている背景、職場環境などの実情・実態、過去に採用された人物像や採用理由などを把握し、その情報は転職エージェントの社内でも共有されます。

キャリアアドバイザーはこれらの情報をベースに、それぞれの求人に関する給与や休日、勤務時間といった情報はもちろんのこと、職場の雰囲気、上司となる方の人柄、求められている人物像など、あまり表にはでてこない独自情報まで教えてくれるのです。

もしも、転職エージェントが保有していない情報が必要となれば、個別に求人企業に問い合わせてもらえます。

【メリット2の事例】求人の背景や職場環境など、表に出てこない独自情報を提供してくれる

キャリアアドバイザーとの信頼関係ができてくると、求めればいろいろと教えてくれるようになります。例えば、前任者の退職理由、人の入れ替わりが激しい傾向があるなど。もちろん、口が固いというか、余計なことを言わないキャリアアドバイザーもいますが。

私を担当してくれた、ある大手転職エージェントのキャリアアドバイザーは、こちらが聞いてもいないのに、求人を紹介する際に企業の内情を教えてくれることがありました。

通常、キャリアアドバイザーと何べんも会うことはありませんが、このキャリアアドバイザーは連絡すれば必ず会ってくれる方で、何度めかの面談で、IT系の上場企業の求人を複数紹介してくれました。求人企業は今ではIT系の大企業ですが、当時はベンチャー企業から上場企業になった頃です。

紹介された求人の中に、事業責任者の求人がありました。転職できれば、年収が1.5倍以上になる求人で興味を持ち、いろいろと確認していた時のことです。

「ご経験が活かせそうな仕事で、年収も高いのですが・・・。離職率が高い会社で、経営者がこの点を全く気にしていません。特にこの部署は、本当に休みがないんです。当社からの紹介で転職した方は、月に1日しか休めないていないそうです」

私の頭の中は???でした。紹介した求人なのに、なぜここまで言うのだろうかと。単に正直なだけなのか、他にすすめたい求人があるのか、何か裏でもあるのか、といろいろなことが頭をよぎります。

結局、激務が予想されるこの求人に、私は応募しませんでした。

キャリアアドバイザーの方は、その後も他の求人企業の内情を、具体的に教えてくれました。裏はなく、私のために知っていることを教えてくれていた、いい人だったようです。

念のため補足しますが、公になっていない求人企業の情報については、くれぐれも取り扱いに注意しましょう。

【転職エージェントのメリット3】自己PRや志望動機、応募書類作成についてアドバイスしてくれる

3つめの転職エージェントのメリット、「自己PRや志望動機、応募書類作成についてアドバイスしてくれる」を解説し、あわせて私の事例もご紹介します。

【メリット3の解説】自己PRや志望動機、応募書類作成についてアドバイスしてくれる

履歴書や職務経歴署に記載したり、面接で質問されることが多い、自己PR志望動機を整理してまとめることは、難しく面倒くさいと思っている方は結構います。

転職エージェントを利用すると、キャリアアドバイザーが求職者の業務の棚卸しから一緒に考え、アドバイスしてくれるので、自己PRや志望動機が簡単につくれます。

履歴書職務経歴書などの応募書類作成のアドバイスでは、読む人に好印象を与え、ご自身の経験やスキルが求人の要件を満たしていることが伝わりやすくなるように改善するなど、書類選考が通過しやすくなる書き方を教えてもらえます。

自己PRや志望動機、履歴書、職務経歴書の作成方法は、次の記事で詳しく解説しています。

【メリット3の事例】自己PRや志望動機、応募書類作成についてアドバイスしてくれる

職務経歴署について、キャリアアドバイザーから次のような助言をもらったことがあります。

職務経歴書が細かすぎる、職務経歴書は2枚までにまとめるべき、と。

年齢を重ねると経歴も増えて、あれもこれも書きたくなります。キャリアアドバイザーの助言を参考に、当初はA4サイズで4枚あった職務経歴書を、2枚に削りました。

自分で作った資料を自ら削るという作業は難しいものです。細かすぎると指摘された職務経歴書を、時間をおいて冷静に見てみると、確かに余計な部分が多いと感じました。キャリアアドバイザーの助言が無ければ、気づかなかったことでしょう。

30代後半の転職活動では、キャリアアドバイザーからのアドバイスで、職務経歴を最新のものから並べる逆編年体式に変更しました。変更の目的は、直近の経歴を目立たせて、仕事の成果をアピールするためです。

転職エージェントを利用する方は、職務経歴書の作成にあたって、一度はキャリアアドバイザーから助言をもらうようにしてください。職務経歴書は履歴書と違い、転職活動することで初めて作ることになる書類です。フォーマットも自由で、Wordで作る人、Excelで作る人、PowerPointで作る人とさまざまで、個人差が出やすいものです。

私も中途採用する企業側の立場で、応募者の職務経歴書を見たことがありますが、まとまりがなく長い職務経歴書、心に響かない職務経歴書が意外と多くありました。一方、見やすい印象に残る職務経歴書というものも存在します。

求人応募にあたって職務経歴書は必須のものであり、書類選考の結果を左右する重要な書類です。複数の転職エージェントに確認したところでは、書類選考の通過率は20%〜30%です。

職務経歴書は転職の専門家の目で、必ずチェックしてもらうようにしましょう。

【転職エージェントのメリット4】模擬面接の実施、面接傾向の助言などの面接対策をしてくれる

4つめの転職エージェントのメリット、「模擬面接の実施、面接傾向の助言などの面接対策をしてくれる」を解説し、あわせて私の事例もご紹介します。

【メリット4の解説】模擬面接の実施、面接傾向の助言などの面接対策をしてくれる

大手の転職エージェントは転職支援実績が豊富で、求人企業ごとの面接傾向を把握しているため、的確で有用な面接対策を助言してくれます。

例えば、過去に求人企業の面接で出た質問とその傾向、面接官に関する情報などを教えてもらえます。

キャリアアドバイザーは、求人企業の面接官役になって、模擬面接もしてくれます。求職者は自己PRや志望動機など面接での受け答えを意識しがちですが、模擬面接では態度や体の動き、話すスピードなど相手に与える印象もチェックしてもらえますよ。

もちろん、電話など非対面形式の模擬面接も可能です。

また、定期的に面接対策セミナーを開催している転職エージェントもあります。このように転職エージェントを利用すると、面接を有利にすすめられる支援が受けられます。

【メリット4の事例】模擬面接の実施、面接傾向の助言などの面接対策をしてくれる

私が経験した、転職エージェントによる面接のサポートについてお伝えします。

多くの転職エージェントは面接前に、次の面接に出てくる人がどのような立場の方なのか教えてくれました。面接官が人事部門の方なのか、採用予定部門の方なのか、役員の方なのか、事前にわかればどのような話になるのか想像できますし、面接でこちらから質問することも整理しやすくなります。

念のため、面接で質問することについて補足します。転職エージェントを利用する方は、キャリアアドバイザーからアドバイスがあると思いますが、面接で質問することは事前に整理しておいた方がいいですよ。

入社意欲が高い方であれば、求人企業をとことん調べて、疑問点やくわしく聞きたいことが出てきます。疑問点、くわしく聞きたいことを含めて、質問することを整理して面接に臨みましょう。質問がない人、質問が薄っぺらい人は、入社意欲が疑われることもあるので、面接で質問することは真剣に整理してください。

「こんなことを質問して大丈夫かな」と心配になることがあれば、面接前にキャリアアドバイザーに確認しておきましょう。

また、面接の日程が決まった時に、次の面接で面接官から質問されそうなことを、具体的に教えてくれるキャリアアドバイザーの方もいます。面接官から、本当にそのままの質問が出てくることもありました。

事前に質問内容がわかっていれば準備ができるので、緊張もせずしっかりと受け答えができます。転職エージェントは、全ての求人企業の面接傾向を把握しているわけではありませんが、中途採用が多い企業の面接傾向は蓄積されていて、かなり具体的に教えてもらえることがあります。

このような面接のサポートは、転職エージェントならではのサービスと言えるでしょう。

【転職エージェントのメリット5】給料・年収などの待遇交渉や、面接などの日程調整を代行してくれる

5つめの転職エージェントのメリット、「給料・年収などの待遇交渉や、面接などの日程調整を代行してくれる」を解説し、あわせて私の事例もご紹介します。

【メリット5の解説】給料・年収などの待遇交渉や、面接などの日程調整を代行してくれる

転職エージェントを使う転職活動では、求職者が求人企業に応募すると、そこから先の交渉調整には転職エージェントが介在することになります。

例えば、言いづらい転職後の給料・年収や役職、休日など待遇面の交渉、面接や入社予定日など日程の調整は、転職エージェントが求職者と求人企業の間に入り、取りまとめてくれます。

また、企業の給与テーブル(賃金テーブル)など、給料・年収に関する情報は、特に個人で収集することが難しい部分です。

すべての企業とは言いませんが、転職エージェントの営業担当者は、取引先の給与体系はある程度は把握しています。

給料・年収面を重視して転職活動する方は、転職エージェントを使うメリットが大きいと言えるでしょう。

【メリット5の事例】給料・年収などの待遇交渉や、面接などの日程調整を代行してくれる

転職エージェントにお願いした調整ごとで、よく覚えているのが面接日程の調整です。

転職活動中A社から内々定が出ましたが、その時点で他に応募中のB社があり、私にとってはB社が本命です。両社ともに転職エージェントから紹介された企業でしたが、異なる転職エージェントからの紹介でした。

B社を紹介してくれた転職エージェントのキャリアアドバイザーに、別の転職エージェントから紹介されたA社の内々定が出たこと、そしてB社が本命であることを伝えると、B社に対して私の書類選考を早めるよう催促してくれたのです。すると直ぐに書類選考を通過し、翌週には面接が設定されました。結局、この企業は面接で落ちましたが、気持ちの整理がつきました。

給与・年収面の交渉や調整をお願いしたことはありませんが、求人企業に転職して昇進・昇格があった場合の給与・年収、求人企業で同年齢の方の昇給額など、入社後の給与体系に関する情報を調べてもらったことはあります。

転職活動では、個人で交渉したり、調整したりすることが難しいことが出てきます。転職エージェントを利用すれば、個人では難しかったり、やりづらかったりすることも、対応できることがあるのです。

【転職エージェントのメリット6】書類選考や面接で落とされたら、その理由を教えてくれる

 6つめの転職エージェントのメリット、「書類選考や面接で落とされたら、その理由を教えてくれる」を解説し、あわせて私の事例もご紹介します。

【メリット6の解説】書類選考や面接で落とされたら、その理由を教えてくれる

全ての転職エージェントではないのですが、大手の転職エージェントでは書類選考や面接で落とされた場合、その理由を教えてくれます。地味ではありますが、私にとってはありがたいサービスでした。

ある転職エージェントでは、書類選考、面接の結果を必ずメールで連絡してきます。通過できなかった場合は、そのメールの中に落とされた理由が書いてありました。理由があいまいに書いてある場合は、キャリアアドバイザーに確認するともう少し具体的に教えてくれることもあります。

経歴が求人企業の要件にマッチしないために書類選考に落ちたケースでは、改善の余地はあまりないのかもしれませんが、面接で落とされた場合、理由によっては改善することで次につなげることができます。

ご自身で良い対策が思い浮かばなければ、キャリアアドバイザーに意見を求めることも良いでしょう。

【メッリト6の事例】書類選考や面接で落とされたら、その理由を教えてくれる

メールに面接落ちの理由が書いてあっても、具体的なものは少ないです。前述の通り、面接落ちの理由だけは具体的に教えてもらえるようにしていましたが、理由がわかっても対策できるもの、できないものがあります。

先ず、対策できなかったものからご紹介します。

面接結果を知らせる転職エージェントのメールに書いてあった、面接落ちの理由があいまいで理解できず、メールで質問しましたが、その回答でも理解できず、電話でキャリアアドバイザーに尋ねた案件です。

こう書くと、しつこい性格だと思われるでしょうが、この案件の仕事は経験もあり面接の手応えも良くて、面接通過は間違いないと信じていたので、面接落ちが不思議でなりません。キャリアアドバイザーは、何度も会ったことがある方だったので電話で確認した次第です。

電話で話すと、すぐに本当のところがわかりました。私と同じ会社から、先に転職していた人がいて、同じ会社から短期間に2人採用するのは不味い、という判断が経営層にあったそうです。それなら書類選考で落としてよと思ったものの、これはどうしようもないと気持ちを切り替えました。

対策できたものもあります。先ほどご紹介した転職エージェントとは、違う転職エージェントの話しです。

面接落ちの理由を掘り下げて確認すると、熱意が感じられないといったニュアンスのものがありました。「求人職種の経験があるのはわかるが、なぜ当社で働きたいのかが伝わってこなかった」ということでした。私としては、しっかり企業研究もして面接に臨んだつもりでなのですが。

キャリアアドバイザーに相談すると、同じ職種であればどこの会社も、同じ自己PRと志望動機を使っていたことが、熱意が伝わらなかった原因ではないか、という結論になりました。以降、ベースは同じものですが、応募書類は求人ごとに少し内容を変えて対応するようにしています。

正直なところ、自己PRは、能力やスキル、できることを伝えるものなので、職種が変わらなければ変えられる部分は少ないでしょう。一方、志望動機は、求人企業ごとにかなり変えられます。

私のケースをお話しすると、当初の面接では転職してから実現したいこと・やりたことを中心に、志望動機を話していました。変更後は、大げさに言うと、実現したいこと・やりたことと、求人企業の強み・差別化ポイントとを結びつけて話すようにしました。変更前よりも手間はかかりますが、面接落ちに悩んでいる方は試す価値はあると思います。

もちろん、求人企業の強み・差別化ポイントの情報は、自分で調べるだけでなくキャリアアドバイザーにも確認してください。

転職活動は縁やタイミングの要素もあり、しっかりとした準備も必要であったりと、一筋縄ではいきませんね。

転職エージェントを利用するメリットの解説は、以上となります。転職エージェントの仕組み、利用の流れ・手順を確認したい方は、次の記事をご覧ください。

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転職エージェントを使うデメリットの解説、事例、対策を紹介

転職エージェントのデメリット
転職エージェントを使うデメリットの解説、事例、対策を紹介

次は、転職エージェントを使うデメリットについてご紹介します。厳密にはデメリットというよりも、使う際の注意点と言った方が適切かもしれません。

転職エージェントのデメリットについて、解説、事例、対策に分けて、お伝えします。

【解説】転職エージェントのデメリット

転職エージェントのデメリット(注意点)
転職エージェントを運営する人材紹介会社は、サービス業です。サービスは形がないので使ってみるまで内容がわかりませんし、提供する人によってサービスレベルに差が出ることがあります。

サービスは提供する人によって変動しやすく、同じ質のサービスを提供することは簡単なことではありません。転職エージェントを使ったことがある方から聞く不満で多いのは、次のようなものです。

これらは人に起因する問題です。

使った人に利用後の評価を聞くと、ほとんどの人の評価が一致する転職エージェントもありますが、評価が分かれるところもあります。良否が分かれるケースでは、転職エージェントのサービスや機能よりも、担当者に言及しているケースが多いことに気づくでしょう。

人材紹介会社の事業は、利用者が転職することで成功報酬が入る仕組みになっています。

滅多にないことですが、自分の成果に結びつけるため・効率化のために、なりふり構わず行動する社員・不誠実な対応をする社員が、中にはいるのです。

このようなリスク予防策として、社員教育・育成に注力しサービスや能力の標準化につとめる、コンプライアンス(法令遵守)意識が高い人材紹介会社を使うことが大切になってきます。

このような転職エージェントの選び方については、次の記事をご参照ください。

【事例】転職エージェントのデメリット

私が経験した、2つの事例をご紹介します。これまで利用した転職エージェントの中で、二度と使わないと思った転職エージェントは、後にも先にもこの2つだけです。

具体名は控えますが、現在も存続している転職エージェントです。当サイトで、この2つの転職エージェントを紹介したり、おすすめしたりすることはありませんのでご安心ください。

デメリットの事例1:キャリアアドバイザーのレスポンスが遅い

ある業界に特化した転職エージェントの話です。とにかくキャリアアドバイザーの反応が遅いのです。

回答を求めるメールを送っても2週間返事がなく、催促メールを送るとその2日後に返信が届くといった具合。一度、意見しましたが改善しないため、この転職エージェントの利用を断念しました。

この転職エージェント経由で、ある企業の求人に応募したのですが、果たして応募手続きが取られたのかどうか今もわかりません。

余談ですが、大手の転職エージェントを利用すると、転職エージェントが独自に作っているWebサービスから求人応募手続きをすることが一般的ですが、この転職エージェントは普通のメールで情報をやり取りして求人応募するスタイルでした。

求職者と転職エージェントの情報のやり取りは、重要な個人情報を送受信することになるので、セキュリティを重視したWebサービス等の環境を利用することが望ましいですね。加えて、Webサービスであれば応募履歴もわかります。

話を戻すと求人に応募した企業についてはメールが届いていないのか、消失したのか、現在に至るまで書類選考結果の連絡はありません。転職エージェントに登録する時間が無駄になっただけでした。

デメリットの事例2:態度が悪いキャリアアドバイザーが、特定の求人を執拗にすすめてくる

次は、中規模ながらも見かけ上はさまざまな業種、職種の求人を扱っている(ように見える)転職エージェントでした。求人企業のロゴタイプ、ロゴマークを自社媒体に掲載し、華やかな見せ方がうまい転職エージェントです。

この転職エージェントに面談に伺い、先ずは挨拶、その後にキャリアアドバイザーから求められ私が自己紹介を始めると、なんとキャリアアドバイザーの居眠りが始まったのです。

多くの転職エージェントの面談は、どちらかと言えばインタビューされる形式でしたが、この転職エージェントはプレゼンテーションしている感じでした。ふざけたビジネスマンだなと思い始めた頃に居眠りが終わり、目が覚めたら態度豹変です。

私のキャリアに否定的なことを言いはじめ、圧迫するような話し方になり、紹介できる求人はこれしかないと執拗に某有名ベンチャー企業への応募をすすめてくるのでした。

不快ではありましたが、こんな冗談のようなことはどこかで話の種になるかもしれないと思い、最後まで話を聞いて帰ってきました。帰宅後、巨大ネット掲示板でこの転職エージェントの情報を探すと似たような話が出てきて、ネット掲示板もあながち嘘ばかりじゃないのだなと感心した記憶があります。

後日、紹介された求人に応募しない旨をメールすると、返答もなく、求人の紹介もなくなりました。

この転職エージェントはキャリアアドバイザー個人の問題というよりも、企業としての社員教育の問題かもしれません。もしかすると、あえて洗脳のような手法を取り入れて、求職者と面談しているということも有りえます。

事例の紹介は以上です。

【対策】転職エージェントのデメリット

大手の転職エージェントでは、人に起因する問題の発生を未然に防ぐ対策と、問題が発生した時の対策をとっています。それぞれの対策をご紹介し、あわせてご自身でとれる対策もお伝えします。

問題の発生を未然に防ぐ対策

前述した通り、サービスは形がなく目に見えないもので、誰がそのサービスを提供するかで、その内容が変わってしまうことがあります。

このような問題の発生を未然に防ぐための対策として、大手の転職エージェントでは、社員教育に力を入れ、サービスや能力の標準化につとめています。社員教育には、当然コンプライアンス(法令遵守)教育も含まれます。

また、ITやAI技術を活用することによって、求職者と求人のマッチング精度向上させる・人為的ミスを減らす努力をしています。

問題が発生した時の対策

大手の転職エージェントでは、万が一問題が発生した時の対策として、利用者の希望により担当者(キャリアアドバイザー)を変更できる制度を設けています。

利用することは先ずない制度ですが、担当者変更の制度があることで安心につながりますね。

なお、従業員数が少ない中規模・小規模の転職エージェントでは、担当者変更ができるところは多くありません。もしも問題が発生し、担当者変更ができない場合は、退会して他の転職エージェントを使いましょう。

求職者がとれる対策

ご自身でできることもあります。転職エージェントを利用する際、複数の転職エージェントに登録してキャリアアドバイザーを比較し、信頼できるキャリアアドバイザーとの付き合いを深めていくのも良い方法です。

また、転職エージェントを利用してキャリアアドバイザーに当たり外れが出てくることがあるかもしれませんが、社員教育に注力しサービスや能力の標準化につとめる、コンプライアンス(法令遵守)意識が高い人材紹介会社が運営する転職エージェントを選ぶことができれば、はずれくじを引く確率は間違いなく低くなります。

最後に対策を整理しておきましょう。

問題の発生を未然に防ぐ対策問題が発生した時の対策
転職エージェントがやっていること+社員教育に力を入れ、サービスや能力を標準化する
+ITやAI技術を導入して、ミスを減らし、マッチング精度を高める
+キャリアアドバイザーの変更制度を設ける
求職者ができること+複数の転職エージェントを利用して比較し、信頼できるキャリアアドバイザーと深く付き合う
+社員教育に力を入れる、コンプライアンス意識が高い転職エージェントを利用する
+キャリアアドバイザーを変更してもらう
+転職エージェントを退会する

社員教育に力を入れる、コンプライアンス意識が高い転職エージェントを確認したい方は、次の記事をご覧ください。

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あとがき:8つの事例からわかる転職エージェントを使うメリットとデメリット【デメリットの対策も紹介】

この記事では、次の2つのポイントから、転職エージェントの転職支援サービスをご紹介しました。

  1. 転職エージェントを使う6つのメリットの解説、事例を紹介
  2. 転職エージェントを使うデメリットの解説、事例、対策を紹介

転職エージェントを使う際の注意点もありますが、利用するメリットははるかに大きく、使ったことがない方は、まずは大手の転職エージェントから使ってみることをおすすめします。

最後にこの記事と同じ、正社員の転職ノウハウ・知識に関する記事をご紹介します。

転職活動でたくさんのよい出会いがありますよう、お祈りいたします!

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